児童心理治療施設
ノアーズ・ガーデン
Noah’s Garden
心理士
上原 淳子UEHARA JUNKO
前職も教育現場で心理士として勤務していましたが、生活場面を見る機会がなかったので、家庭内の問題を聞いても具体的なイメージが湧きにくかったんです。ノアーズの場合、生活場面に入って食事や就寝支援も行います。心理士と支援員を兼務するような形ですね。もう一歩踏み込みたいと思っていた今までのわだかまりは、ノアーズで子どもの全体像を見ることでかなり解消されましたね。実情が深く理解できるようになりましたし。学びたかった事はここにあると感じたんです。
社会的な場と生活の場、どちらも見ることで、子どもたちの頑張りのプロセスが見えてきますし、どちらか一方だけでは得られなかった気付きもあって、とても勉強になっています。
学校の参観で立派に発表して褒められている姿と生活の場で色々と考えて努力している姿が見えます。社会的な場で頑張っている分、生活の場に戻ってきて疲れて大人に甘えたくなる姿とか。
成長を考えると、いけない事に対して叱ったりする必要もあって、常に考えさせられる現場ですね。施設内では色々な行事も企画しますよ。普段は平和祈念公園にお散歩したり、施設内で出来る行事を考えたり、中でも観月会でのカラオケ大会は盛り上がりました。施設の周りが広々しているので苦情も出ませんよ(笑)
子ども達は自分自身で考え、努力して、1年で驚くほどに成長するんです。家庭に戻った時に、頑張ってきた姿勢もしっかり親御さんに伝えられるように、子どもたちと向き合っていきたいですね。
子どもがいる現場で臨床福祉を学びたい私にとって、ここは毎日が学びの連続です。夜勤が入る心理士は他に聞いたことがありませんし(笑)最初はなかなか体が慣れなくて大変でしたけど。
様々な分野の職員と共に働くので、色んな角度からの意見がありますし、知識を共有できて、心理士としての深みや幅が広がっていくのを実感できます。
熱い気持ちがあって、いろんな経験をしてみたい方にとって、ノアーズは最適な場所だと思います!
與那國 貴子支援リーダー
以前は、十数年間、児童養護施設で心理士として勤務していました。沖縄県で初の児童心理治療施設が開設すると聞き、これまで経験してきたこと、学んできたことを活かしたい、試してみたいと思い、入職しました。
子どもたちと衣食住・就寝を共に過ごすことは、毎日小さな変化や成長に気づける喜びがあります。時には想定外のことが起こることもありますが、それを、同僚と分かち合い、悩んだり、話し合いをしたりとみんなで支えあっていく、温かい雰囲気のある職場です。開設当初から支援リーダーとして務めさせていただいている私ですが、みんなの温かいサポートがあったからこそ、ここまでこれたと感じている日々です。この温かい雰囲気が保てるように職員連携、チームワークを大事にしていきたいと思います。
上地 信乃心理士
児童養護施設で心理職として15年働いた後、当施設に入職しました。施設心理士として働き始めた当時は、本当に何もできない新米心理士で、施設の子どもたちの行動に楽しく振り回されたり、困らされたりしていました。被虐待児の治療について書かれた本は、西澤哲氏の「虐待を受けた子どものプレイセラピー」の1冊しかなくて、その1冊を必死に読んでいました。
そんな私を心理士として成長させてくれたのは、いつでも施設の子どもたちでした。子どもたちの喜びに感動して成長に共に喜んだこともあります。自分の無力さに打ちひしがれ、もう二度と立ち上がれないと思った日もあります。それでも、立ち上がる勇気をくれたのは、子どもたちの存在でした。当施設でも新しい子どもたちとの出会いがあります。その出会いに、縁に、喜びを感じつつ、共に成長していけたらと思います。
岡本 牧子家庭支援専門相談員
大学卒業後、新聞記者として取材の最前線で社会にもまれました。結婚後は二人の息子を育てながら心理学やソーシャルワークを学び直し、精神科医療機関へ再就職。生きづらさを抱える人に寄り添い、「人を支援することとは何か」を学びました。効率ばかりを優先するスピード社会のしわ寄せが子育て家庭を直撃しています。子どもの育ちには「無駄な時間」や「すきま」が必要。忙しさや目標に追い立てられ、親も子も疲れ果て、傷つけあってしまうケースをたくさん見てきました。
当施設へ転職し、ファミリーソーシャルワーカーとして家庭支援を担当しています。総合環境療法の現場で多様な人材が異なる経験や視点を活かし合いながら治療風土を紡いでいくプロセスは楽しく、やりがいを感じています。
ソーシャルワークで大切なのは、当事者が自分の力で困難に向き合い、変化や成長の道をたどれるよう寄り添い、勇気づけること。その人の成長をあきらめず、信じて待つこと。どんな苦しみにも無意味なことはありません。困難を乗り越えて新たな一歩を踏み出そうとする人の姿に、私自身がエンパワメントされています。